WG1 :「経年優化するスマートシティのデザイン」

【研究リーダー:出口 敦(東京大学) 湯川 俊一(三井不動産)】

わが国の国際競争力維持の観点からは、東京都市圏の成長の方向性提示が最重要課題であり、三井不動産東大ラボが理念として掲げる「経年優化する都市」として発展させる上での課題や方法の検討は極めて重要である。

W G1 では世界的な都市政策の潮流やポストコロナの都市に関する議論から、「経年優化する都市」の実現のための方法論の検討から開始した。

2021年に都市交通計画、モビリティ・デザインを専門とする中村文彦特任教授を迎えて、上記の課題の大枠に基づき、コロナ禍での働き方の変化から派生する移動需要の変化に着目して経年優化する都市のかたちをめざすテーマとして「交通から考えるピークレスな街づくり」を設定し、集中的に取り組む。

WG1研究概念図

具体的な課題は以下のとおりである。まず前提として、公共交通において、従来は朝のラッシュに代表されるピークを想定した輸送力や施設内の空間を確保する必要があるためピーク時以外にそれらが遊休化していること、COVID-19感染拡大に対応した「新しい生活様式」は半ば強制的な対応であり、インセンティブがなくなると感染終息後に元通りの生活様式に戻る可能性が高いことが見受けられる。このことを踏まえ、コロナ禍でいったん減少した通勤通学移動の時間的空間的集中がコロナ後にリバウンドする動きを最小にしつつ、かつ都市全体での活動需要、それに伴う移動需要をむしろ増加させ、それにより都市を以前よりも元気にしていくための実現方策の検討を対象とする。なお、本研究では、効率性重視や生産性向上の結果、社会的弱者にしわ寄せがいかないよう全体最適の視点で取り組み、ESGの理念にも資する方向をめざす。関連するステークホルダーとして、運輸事業者や関連行政機関などの交通サイド、開発事業者等の開発サイド、そして個々の企業等や働いている個々人といった、いわば企業等サイドの3主体を設定し、それぞれについて、どのような動機付けで、どのように変化していくべきか、内外の先進的な動向を踏まえ、各ステークホルダーへの調査分析結果をもとに明らかにする。成果は、社会システムのあり方としての提言、具体的な制度設計に向けての提言、小規模な実証実験実施に基づいた提言を組み合わせたかたちで発信する。

なお、提言内容の各地での実現に向けては、従来の都市計画や都市デザインとは異なる新たな都市づくりの方法や技術導入が求められ、そのプランニングやデザインを担う人材が必要である。上記の研究と並行して、これからの都市づくりの担い手となる専門家像の体系化を行う。

  • 出口 敦

    東京大学 大学院新領域創成科学研究科 研究科長 教授

  • 湯川 俊一

    三井不動産

    産学連携推進 部長

  • 中村 文彦

    東京大学 大学院新領域創成科学研究科

    特任教授


    都市交通計画, 公共交通計画, モビリティ・デザイン, MaaS, 公共交通指向型開発

  • 上野 勝宏

    三井不動産

    ソリューションパートナー本部

    産学連携推進部 グループ長

  • 相 尚寿

    東京大学 空間情報科学研究センター

    助教


    都市解析, 人口移動, 住環境指標, 観光者行動解析, 観光情報配信

  • 大森 啓史

    三井不動産

    ソリューションパートナー本部

    産学連携推進部 統括

  • 本間 健太郎

    東京大学 生産技術研究所 准教授


    空間デザイン数理, 建築計画・建築設計, デザインとエンジニアリングの融合, デザイン教育

  • 日野 敏幸

    三井不動産 S&E総合研究所 所長

  • 三浦 詩乃

    東京大学 大学院新領域創成科学研究科

    特任助教


    都市デザイン, 公共空間のデザイン, マネジメント

  • 三牧 浩也

    東京大学 大学院新領域創成科学研究科

    特任研究員


    UDC, 柏の葉プロジェクト, スマートシティ