2023「世界都市計画の日」日本集会の基調講演で持続性評価WGの成果を紹介

2024.03.18

東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻・村山顕人准教授が2023年11月8日に開催された「世界都市計画の日」日本集会の基調講演「気候変動緩和・適応に向けた都市計画の挑戦」の中で、2020〜2022年度の持続性評価WGの成果を紹介しました。

持続性評価WGでは、これからの街づくりに求められるカーボンニュートラル実現に向け、都市地域炭素マッピング手法を活用し、市街地類型の中でも相対的に環境負荷が高い都心商業業務地である日本橋地区における2050年に向けた脱炭素化シミュレーションを行いました。地区全体の建物更新の趨勢とそれに関連する省エネ・再エネ(建替・改修・運用改善)の取り組み、電力排出係数の改善、電化率の向上(以上、建物分野)及び道路の車線数の変更と電気自動車率の向上(以上、交通分野)を想定し、地区全体の二酸化炭素排出量削減のロードマップを示すものです。

基調講演では、図の通り、日本橋地区における建物の更新を通じた二酸化炭素排出量削減の推定結果を紹介しました。建物の建替・改修・運用改善の趨勢による削減は約25%に留まり、これに電力排出係数の改善を加えても削減は約50%であることが推定されました。これは、地区の脱炭素化に向けた本格的な取り組みが急務であることを示しており、持続性評価WGのこうした成果が地区における多様な主体の協働による脱炭素化の取り組みの契機になればと考えています。