持続性評価WG

都市の持続性評価システムの構築 ~ESGの観点から考える街づくりの戦略~

研究リーダー
東京大学 大学院工学系研究科 准教授:
村山 顕人 /
三井不動産 S&E総合研究所:須田 英男

【研究リーダー:村山 顕人(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)/ 須田 英男(三井不動産 S&E総合研究所)】

近年、2030年に向けた持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)や2050年に向けたカーボンニュートラルが国際社会共通の目標になっている。街づくりの分野でもこうした目標の達成への貢献が求められ、街づくりへの投資も「環境(Environment)」、「社会(Social)」、「ガバナンス(Governance)」の3要素が重視されるESG投資にシフトしつつある。
本研究では、これからの街づくりに求められるカーボンニュートラル実現に向け、都市の持続性評価システム(urban sustainability assessment system)を構築し、個々の建物だけでなくエリア全体として取り組むべき課題や対応施策の検討を行う。あわせて、開発街区およびその周辺を含めたカーボンニュートラルの実現には持続性の視点を加えたエリアマネジメント(次世代エリアマネジメント)も選択肢の一つとして検討し、上記で整理した課題や対応施策を実際の取り組みとして推進するための方策を検討する。なお、本研究の対象エリアとして、古くからのコミュニティや文化が残り、新たな開発が進んでいる日本橋を取り上げる。

 この共同研究においては、都市地域炭素マッピング手法、持続性評価、エリアマネジメントに関わる東京大学の知と日本橋地区という三井不動産が関わる街づくりの場を活用し、相対的に環境負荷が高い都心商業業務地におけるカーボンニュートラル化ロードマップを示すことを目指す。三井不動産は、2021年11月にグループ全体の温室効果ガス排出量を2030年度までに40%削減(2019年度比)、2050年度までにネットゼロにする新目標を設定し、脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画(ロードマップ)を策定した※。その中で、「街づくりにおける取り組みの促進」も掲げ、「エリア全体の脱炭素化を進める街づくりを目指す」こととしている。本研究はこれに応答するものである。

※三井不動産「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」:脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画 (mitsuifudosan.co.jp)
PDFはこちら(https://mfut-lab.ducr.u-tokyo.ac.jpfudosan.co.jp/esg_csr/carbon_neutral/pdf/carbon_neutral.pdf

2023「世界都市計画の日」日本集会の基調講演で持続性評価WGの成果を紹介

大学院工学系研究科都市工学専攻・村山顕人准教授が2023年11月8日に開催された「世界都市計画の日」日本集会の基調講演「気候変動緩和・適応に向けた都市計画の挑戦」の中で、2020〜2022年度の持続性評価WGの成果を紹介しました。 https://mfut-lab.ducr.u-tokyo.ac.jp/240318-2/

▼三井不動産東大ラボ 持続性評価WG研究紹介~都市の持続性評価システムの構築、ESGの観点から考える街づくりの戦略~