三井不動産東大ラボの「木と人体」取り組み概要版の紹介動画をアップしました。

2023.10.25

大学院農学生命科学研究科・恒次祐子教授、大学院理学系研究科・竹内春樹教授、三井ホーム株式会社と共に、木の空間が身体にどのような良い影響を与えるかを科学的に証明する実証研究を開始したことをお知らせします。

木を使った空間に身を置くと、木の持つ温もりを五感で感じ、リラックス感を得ることができます。昨今、“人は自然や動植物などの生命との結びつきを求める” という「バイオフィリア仮説」の側面から、木材を利用した建築物への注目が高まりつつありますが、人が木に囲まれた空間の人への効果については、未知の事実がまだ多くあります。また、匂いについては、その感受性や好みなどに関する個人差が大きくあるものの、その差にかかわらず匂い成分が生物に作用する場合があることが分かっており、例えば認知していない「匂い」であってもその効用を受けることができます。そこで私たちは、暮らしの中で継続的に「木の匂い」の効果を享受できる空間に注目することにしました。「木の匂い」、ひいては「木材を採り入れた空間」と健康の関係性について解き明かす取り組みを始めました。

人生100年時代を迎え健康寿命が重要視される中、生活習慣病のリスクを高める要因のひとつである睡眠の質の低下や、寿命の延伸に伴い患者のさらなる増加が見込まれる認知症が大きな社会課題となっています。私たちは本研究を通し、木材を採り入れた空間が持つ力が、これらの課題の解決にどのように資するのか科学的に検証していきます。

本取り組みを通じて、新たな木材の価値を掘り起こし、人が暮らす空間に木材を採り入れる良さを科学的に裏付けることで、よりよい未来のくらしに資する木材の活用を推進してまいります。